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🇫🇷フランス語

フランス語で「どういたしまして」は何と言う?「de rien」以外の12表現

Sandor 作2026年2月20日読了目安 9分

クイック回答

フランス語で「どういたしまして」の定番は、カジュアルなら「de rien」(duh ree-EN)、フォーマルなら「je vous en prie」(zhuh vooz on PREE)です。フランス語には「merci」への返しが豊富にあり、丁寧さや温かさ、地域性のニュアンスがそれぞれ異なります。

短い答え

フランス語で「どういたしまして」を一番カジュアルに言うなら de rien(duh ree-EN)、一番フォーマルに言うなら je vous en prie(zhuh vooz on PREE)です。 この2つを軸に、フランス語には merci への返しがだいたい12種類あります。返し方は、場面の丁寧さに合わせて変わります。

Organisation internationale de la Francophonie の2022年報告によると、フランス語は29か国で約321 million人が話しています。地域が広いので(パリのビストロからモントリオールのカフェ、ダカールの市場まで)、お礼への返し方は地域や丁寧さ、個人の話し方で大きく変わります。旅行、学習、会話のために調べている人向けに、このガイドで必要なことをまとめます。

「丁寧さの戦略は、言語の飾りではない。どの文化でも、社会関係と面子を扱う基本的な道具である。」

(Penelope Brown & Stephen Levinson, Politeness: Some Universals in Language Usage, Cambridge University Press)

このガイドでは、フランス語で「どういたしまして」を言う重要な12表現を紹介します。カジュアル、丁寧、フォーマル、そして興味深いケベックの言い方に分けます。各項目に発音、実例、文化的な背景を付けます。いつ使うべきかが分かります。


早見表: フランス語の「どういたしまして」


カジュアルな返し

友達、同僚、リラックスした場面で一番よく聞く返しです。CNRTLによると、de rien は少なくとも19世紀から、フランス語の代表的なカジュアル表現です。

De rien

カジュアル

/duh ree-EN/

直訳: 何でもないこと

Merci pour le café ! / De rien !

コーヒーありがとう! / どういたしまして!

🌍

フランス全土で一番よく使うカジュアルな返しです。スペイン語の 'de nada' やイタリア語の 'di niente' と同じ発想です。ロマンス諸語では「たいしたことないよ」という型が共通です。

De rien は直訳すると「何でもないこと」です。スペイン語の de nada や、日本語の「気にしないで」に近い働きをします。頼みごとを小さく見せる言い方です。Brown & Levinson はこれを「相手の負担感を減らす」丁寧さの戦略として説明します。

2音節で、誰にでも通じます。間違えようがありません。merci への返しを1つだけ覚えるなら、これにしてください。

Il n'y a pas de quoi

カジュアル

/eel nyah PAH duh kwah/

直訳: お礼を言うほどのことはない

Merci de m'avoir aidé avec les valises. / Il n'y a pas de quoi, c'était facile.

スーツケースを手伝ってくれてありがとう。 / たいしたことないよ、簡単だったよ。

🌍

'de rien' より上品ですが、まだカジュアルです。完全な形は文章や丁寧な話し方で出ます。話し言葉ではほぼ短くします。

これは「たいしたことない」型の長い完全形です。直訳は「お礼を言うほどのことはない」です。頼みごとが小さく、感謝されるほどではないと言います。Académie française は、この形をフランス語の典型的な婉曲表現の例として挙げています。

実際は、多くの人が短くします。省略形のほうをずっとよく聞きます。

Pas de quoi

カジュアル

/pah duh KWAH/

直訳: お礼を言うほどのことはない

Merci ! / Pas de quoi.

ありがとう! / 気にしないで。

🌍

'il n'y a pas de quoi' の標準的な短縮形です。日常会話でとてもよく使います。カジュアルと丁寧のバランスが良いです。

よく使う省略形です。il n'y a を丸ごと落とします。友達にも使えます。店員や同僚に言っても、くだけすぎません。

Y'a pas de quoi

スラング

/yah pah duh KWAH/

直訳: お礼を言うほどのことはない

Merci beaucoup, vraiment. / Y'a pas de quoi, c'est normal.

本当にありがとう。 / 気にしないで、当然だよ。

🌍

一番カジュアルな話し言葉の縮約です。速い発話で 'Il n'y a' が 'y'a' になります。フランス映画や日常会話で頻繁に聞きますが、文章ではほとんど見ません。

速く自然に話すと、実際はこう聞こえます。y'ail y a 由来)は話し言葉でとても一般的です。フランスの映画やテレビでも、ほぼ必ず出ます。文章や仕事の場ではくだけすぎます。友達同士ならぴったりです。

💡 縮約の段階

この4つは、丁寧さが違うだけで同じ表現です: Il n'y a pas de quoi(完全形, 文章向き)→ Il n'y a pas de quoi(丁寧な話し方)→ Pas de quoi(標準的なカジュアル)→ Y'a pas de quoi(かなりくだけた話し言葉)。1つ知っていれば用は足ります。ただ4つ全部を聞き分けると、ネイティブの速さでも理解できます。


丁寧な返し

多くの場面で使えます。丁寧に聞こえますが、堅すぎません。ここでは tu/vous の区別が重要です。これはフランス語の丁寧さの大きな特徴です。

Je vous en prie

フォーマル

/zhuh vooz on PREE/

直訳: どうぞ(丁寧)

Merci de votre aide, madame. / Je vous en prie.

お手伝いありがとうございます、奥様。 / どういたしまして。

🌍

フォーマルな返しの定番です。'vous'(丁寧なあなた)を使います。別の文脈では「どうぞ」や「お先にどうぞ」にもなります。用途が広いフランス語表現です。

Je vous en prie はフランス語の丁寧表現の万能選手です。merci への返しでは「どういたしまして」です。別の場面では「どうぞ」「お先にどうぞ」の意味にもなります。ドアを押さえるときも Je vous en prie. 席を勧めるときも Je vous en prie. CNRTL は、この二重の働きを動詞 prier(祈る、頼む)にさかのぼって説明します。

仕事の会議、年上の人、de rien だと軽すぎる場面で使いたい表現です。Ethnologue の2024年データでも、vous/tu の区別は29のフランス語圏で社会的に重要だとされています。

Je t'en prie

丁寧

/zhuh ton PREE/

直訳: どうぞ(くだけた丁寧)

Merci de m'avoir attendu ! / Je t'en prie, c'est normal.

待っててくれてありがとう! / もちろん、当然だよ。

🌍

'je vous en prie' の 'tu' 版です。'de rien' より温かく、個人的です。でもくだけた関係向きです。友達、家族、親しい同僚に最適です。

je vous en prieje t'en prie の違いは代名詞だけです。vous(丁寧, 複数)と te/t'(くだけた単数)です。意味は同じです。tu で話す相手に使います。友達、家族、子ども、親しい同僚です。

この表現はちょうど良い位置です。de rien より温かいです。vous 形ほど堅くありません。フランス人は「本当にそう思ってるよ」という気持ちを出すために使うこともあります。


フォーマルで上品な返し

特に品の良さが求められる場面で使います。ビジネス、式典、または感謝を受け流さず温かさを返したいときです。

C'est moi qui vous remercie

フォーマル

/seh mwah kee voo ruh-mair-SEE/

直訳: お礼を言うのは私のほうです

Merci pour cette présentation remarquable. / C'est moi qui vous remercie de votre attention.

素晴らしい発表をありがとうございます。 / こちらこそ、ご清聴ありがとうございます。

🌍

感謝を完全に反転させます。とても上品で、仕事のフランス語でよく使います。相手と同じか、それ以上にこのやり取りを大切にしたと示します。

de rien のように頼みごとを小さく見せるのではありません。感謝を丸ごと反転させます。「いや、感謝すべきは私のほうです」と言います。フランス語の会話でよくある動きです。やり取りを相互の感謝に引き上げます。

会議、発表、共同作業の後によく聞きます。tu 形にして C'est moi qui te remercie とも言えます。

Tout le plaisir est pour moi

フォーマル

/too luh pleh-ZEER eh poor MWAH/

直訳: 喜びはすべて私のほうにあります

Merci d'avoir accepté notre invitation. / Tout le plaisir est pour moi.

招待を受けてくださりありがとうございます。 / こちらこそ光栄です。

🌍

日本語の「こちらこそ光栄です」に近いです。温かく上品で、会食、フォーマルな場、仕事の挨拶に合います。

日本語の「こちらこそ光栄です」に近い表現です。会食、良い打ち合わせの後、同席へのお礼に向きます。温かさがありつつ、上品です。

短い形の tout le plaisir や、avec plaisir(喜んで)も便利です。全部言わなくても気持ちは伝わります。

À votre service

とても丁寧

/ah VOH-truh sair-VEES/

直訳: お役に立ちます

Merci infiniment pour votre assistance. / À votre service, n'hésitez pas à revenir.

ご助力に心から感謝します。 / お役に立てて光栄です。またいつでもお越しください。

🌍

接客、ホスピタリティ、フォーマルな仕事の場で主に使います。日常会話だと堅すぎることがありますが、サービスの場では最適です。

ホテル、高級店、上質な接客でよく使います。パリのホテルのコンシェルジュ、上品なレストランのソムリエ、担当の銀行員なら à votre service を選ぶでしょう。

日常会話では、少し芝居がかった響きになることがあります。友達同士なら、冗談っぽい言い方だと合います。「喜んで手伝うよ」という合図になります。

C'est tout naturel

丁寧

/seh too nah-tew-REL/

直訳: 当然のことです

Merci d'avoir gardé les enfants ce soir. / C'est tout naturel, ils sont adorables.

今夜子どもを見てくれてありがとう。 / 当然だよ、すごく可愛いし。

🌍

フランスらしい考え方が出る返しです。助けたのは当然だという含みです。温かいですが、堅すぎません。近所、親戚、地域のつながりでよく聞きます。

これはとてもフランス語らしい返しです。de rien のように小さく見せません。c'est moi qui vous remercie のように反転もしません。助けるのが当たり前だったと位置づけます。助けるのは当然です。そうするのが自然です。さらに簡単な c'est normal もよく聞きます。意味は同じです。


ケベックのフランス語: 特別なケース

ケベックのフランス語は、ヨーロッパのフランス語と400年ほど離れて発展しました。その違いは「どういたしまして」にも強く出ます。

Bienvenue

カジュアル

/bee-en-vuh-NEW/

直訳: ようこそ

Merci pour les directions ! / Bienvenue !

道を教えてくれてありがとう! / どういたしまして!

🌍

ケベック(とニューブランズウィック州の一部)だけで使います。フランスでは 'bienvenue' は挨拶の「ようこそ」であり、お礼への返しではありません。この違いは、ケベックとフランスの言語差としてよく挙げられます。

これは、ケベックのフランス語とヨーロッパのフランス語の違いで、特に驚かれやすい点です。ケベックでは bienvenuemerci への標準的な返しです。日本語の「どういたしまして」と同じ位置です。フランスでお礼の後に bienvenue を言うと、戸惑われることがあります。ヨーロッパのフランス語では bienvenue は「ようこそ」という挨拶だけだからです。

言語学では、これを借用翻訳だと説明します。日本語で言うと、別言語の言い回しを形ごと写す現象です。ケベックは英語圏のカナダと長く接してきました。OIF でも、この影響はよく記録されています。

🌍 Bienvenue: 大きな分かれ目

パリとモントリオールを行き来すると、この1語で学んだフランス語の種類が分かります。パリの人は、merci への返しで bienvenue を聞くと驚いて止まることがあります。逆にケベックの人は de rien を理解します。ただその場面では少しよそよそしく感じることがあります。どちらも間違いではありません。歴史が違うだけです。


どれをいつ使うか

正しい返しは状況で決まります。実用的な目安を示します。

状況おすすめ理由
友達が頼みごとへのお礼を言うDe rien / Pas de quoiカジュアルで温かい、気取らない
親しい友達が心からお礼を言うJe t'en prie"de rien" より個人的で、気持ちが伝わる
知らない人がドアを押さえてくれたPas de quoi丁寧で短い
上司が会議後にお礼を言うJe vous en prieフォーマルで、仕事らしい
客がサービスに感謝するÀ votre service接客向きでプロらしい
ホストが贈り物にお礼を言うTout le plaisir est pour moi上品で、温かさを返せる
同僚がシフト代わりに感謝するC'est tout naturel「当然だよ」という温かさ、堅くない
相手がとても丁寧に感謝するC'est moi qui vous remercie上品に感謝を反転できる
ケベックでのカジュアルなやり取りBienvenueケベックの標準的な返し

💡 'Je vous en prie' の二つの意味

je vous en prie はフランス語で二役です。merci への返しでは「どういたしまして」です。何かを勧めるとき(ドアを押さえる、席を示す、食べ物を勧める)には「どうぞ」です。文脈で意味は分かります。ただ二つの意味を知っておくと混乱しません。


相手が「どういたしまして」と言った後の返し方

フランス語では、通常「どういたしまして」で会話が終わります。続く場合の自然な一言を紹介します。

相手の言葉こちらの追加雰囲気
De rien笑顔やうなずき(返事は不要)カジュアル
Je vous en prieBonne journée(良い一日を)丁寧
C'est moi qui vous remercieVraiment, merci encore(本当に、重ねてありがとう)温かい
Tout le plaisir est pour moiC'était un plaisir(こちらこそ)上品
Bienvenue (Quebec)Bonne journée !カジュアル

実際のフランス語コンテンツで練習する

表現を読むと土台は作れます。ただ定着させるには、ネイティブの自然な発話を聞くことが大切です。フランス映画やテレビは良い教材です。時代劇のフォーマルなやり取りもあります。現代コメディの速い話し言葉もあります。

Wordy では、フランス語の映画や番組をインタラクティブ字幕で見られます。登場人物が mercije vous en priede rien で返したら、フレーズをタップできます。意味、発音、丁寧さのレベルをその場で確認できます。リスト暗記ではなく、実際の会話からイントネーションごと身につきます。

フランス語学習者向けの映画おすすめは、フランス語学習におすすめの映画 を見てください。ほかのフランス語ガイドは ブログ へどうぞ。今日から練習するなら フランス語学習ページ を見てください。

よくある質問

フランス語で「どういたしまして」の一番よくある言い方は?
一番よく使われるのは「de rien」(duh ree-EN)で、直訳は「何でもない」です。スペイン語の「de nada」に近く、ほとんどのカジュアルな場面で使えます。改まった場では「je vous en prie」(zhuh vooz on PREE)が無難です。
「je vous en prie」と「je t'en prie」の違いは?
「je vous en prie」は丁寧形または複数の「vous」を使い、初対面、年上、仕事の場面に向きます。「je t'en prie」は親しい相手に使う「tu」で、友人や家族、近い同僚向けです。意味は同じで、丁寧さだけが変わります。
「je vous en prie」はフランス語で「お願いします」の意味にもなる?
はい。「je vous en prie」は二つの用法があります。「merci」への返事では「どういたしまして」ですが、何かを勧めたり相手に行動を促すときは「どうぞ」の意味にもなります。例えばドアを押さえて「je vous en prie」と言うと「お先にどうぞ」です。
ケベックでは「bienvenue」を「どういたしまして」として言うのはなぜ?
ケベックのフランス語では「bienvenue」(直訳は「ようこそ」)が「merci」への一般的な返事として定着しています。英語の「you're welcome」を直訳した表現です。フランス本土では挨拶の「ようこそ」の意味に限られるため、違和感が出やすく混乱の原因になります。
フォーマルな場で「de rien」を使うのは失礼?
「de rien」自体が失礼というわけではありませんが、ビジネス、年配の方との会話、改まった文面ではカジュアルに聞こえがちです。そうした場面では「je vous en prie」「c'est moi qui vous remercie」「tout le plaisir est pour moi」の方が丁寧で適切です。

出典・参考資料

  1. Académie française『Dictionnaire de l'Académie française』第9版
  2. Centre National de Ressources Textuelles et Lexicales (CNRTL), 語源と歴史に関する語彙項目
  3. Ethnologue: Languages of the World 第27版(2024), フランス語の項目
  4. Brown, P. & Levinson, S.『Politeness: Some Universals in Language Usage』(Cambridge University Press)
  5. Organisation internationale de la Francophonie (OIF)『La langue française dans le monde』2022年報告書

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